Takatani Note

連続写像

定義

定義
$(X,\O_X),\ (Y,\O_Y)$ を位相空間とする.
写像 $f:X\to Y$ が連続写像 (continuous map)であるとは, 任意の $O\in \O_Y$ に対して, $f^{-1}(O)\in \O_X$ となるときをいう.

連続写像の同値な言い換えはいくつかあるが次の閉集合の場合が一番重要である.

定理
$(X,\O_X),\ (Y,\O_Y)$ を位相空間とする.
写像 $f:X\to Y$ について, 次の3条件は互いに同値である.
(1) $f$ は連続である.
(2) $Y$ の任意の閉集合 $A$ に対して, その逆像 $f^{-1}(A)$ が $X$ の閉集合である.


離散空間 $\R$ から密着空間 $\R$ への恒等写像は連続である.
しかし, 逆写像は連続でない.


$f:\R^3\to \R$ を $(x,y,z)\mapsto x^2+y^2+z^2$ と定めると, $f$ は連続写像である.

※距離空間のときは「位相空間の連続写像」と「距離空間の連続写像」 は同値であることが知られている.


写像 $f:\R^3\to \R$ を $f(x,y,z)=z$ と定めると, $f$ は連続である.
$f$ の定義域 $\R^3$ を球面 $S^2$ に制限したとき, その制限写像 $f|_{S^2}:S^2\to \R$ も連続である.

※相対位相の性質より, 連続写像の定義域を制限しても, その制限写像は連続である.

反例
$f= \begin{cases} 2 \ \ \ (x < 0) \\ 0 \ \ \ (x\leq 0) \end{cases}$
は連続写像でない.
実際, 開区間 $I:=(-1,1)$ は $\R$ の開集合であるが, その逆像 $f^{-1}(I)=(-\infty, 0]$ は $\R$ の開集合でないからである.


$\GL_n(\R)$ を $n$ 次の正則行列全体とする.
$g:\GL_n(\R)\to \R,\ A \mapsto \det A$
は連続写像である.
実際, $\det A$ は展開すると多項式の形になるから連続である.